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2005年10月10日 (月)

遠隔医療

IT技術を使った遠隔医療の活躍する分野は僻地医療・在宅医療・24時間対応医療などであろうか? 僻地ではやはり交通機関上の問題から画像伝送での遠隔医療が求められるが、この際は患者の容態をリアルタイムにチェックするプライマリケアが主体になるでしょう。患者のMRI・CT結果などの遠隔診断には患者の移動がつきものであるので、遠隔医療でなければといったものではなく、むしろMRI・CTの安価型の開発が求められます。その方が画像転送には向きます。在宅医療や24時間対応医療での遠隔医療も同様でしょう。 画像の遠隔医療はそれでなければといった面はそれほどありません。郵送やfaxよりやや便利になる程度です。普及のスピードが遅い理由もここにあるでしょう。もうひとつは導入・維持コストが高く保険でそのサポートがされない面もあります。遠隔医療の優れた面は患者の容態のリアルタイムチェック(「診断」)の方でしょう。しかし身体所見などの「診察」の遠隔医療はできず、また診断、診察後即座の「治療」を施す遠隔医療はできないので機能面では片手落ちです。 MRI・CTなど医療機器の安価型は高度医療の普及と医療費を削減する意味でも重要です。MRI・CTなどは高性能ばかりの追求がめだち、高価格化の進行ばかりで、医療費を削減する効果も、医療機関の経営改善をもたらす効果も出ていません。医療機器の高度化は重要ですが、医療機器の安価化はもっと重要です。安価化された心電図や血圧計からのデータ転送診断サポートなどは今後もさらに浸透していくでしょう。一方で、安易な普及で「正確な治療」が妨げられる危険も考慮しなければいけません。 遠隔医療の活躍する分野のもうひとつは、医療システムの効率化かもしれません。病理診断などは各病院に病理医が常駐するより、検体の標本処理後に病理診断センターに遠隔医療させて診断した方が診断精度の向上とコスト減になるでしょう。 今後進歩する可能性が高いロボット手術などでも各病院に専門医を常駐させるより、遠隔医療で対応した方が未熟な専門医の散乱よりいいかもしれません。専門医の技術はどれだけ多くの症例を経験してきたかにかかっています。どこにでも専門医がいればいいものでもありません。問題はそのビジョンとシステム設計を厚生労働省が「しっかりと」提示し実行できるかです。

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